★星の家から 2 「ずっといる人。いてくれる人。」 星美帆 星の家だよりNo36より

「星の家」の猫が亡くなってしまった時に、お墓を作っている側でOGが「星さん、うちのこともちゃんと看取ってよ。」と。俊彦さんは「何言ってんだ。お前が俺を看取るんだよ。」それから数年経ってOGが「星さん、うちもうひとりと思ってる。元気でいてよね。星さんは赤ちゃんを抱っこできれば元気でいられるでしょ。」20231210日に元気な男の子が産まれました。男の子の名前にはパパの一文字と「星」の文字が入っています。俊彦さんは210日生まれです。長男と俊彦さんとの時間、次男・長女と俊彦さんとの時間がありました。OGが「星の家」で生活をしたのは一年にも満たなかったのですが、25年間を一緒に生きてきた同志のような存在です。私が強く覚えていることがあります。OGが「星さーん、彼氏と釣りに行ってきたよ。」「ディズニーランドに初めて行ってきたよ。」とおみやげを持って報告に来てくれるたびに、「おー。お前はやっと人間になれたなー」と俊彦さんの幸せそうな笑顔は今でも浮かびます。「やっと人間になれた??」…OGに失礼なことを言って!とも思ったのですがすぐに分かりました。OGが小さかった頃に普通にもらうべき暖かい時間、楽しい時間を大人になってから過ごせるようになった。そのことを俊彦さんは何より嬉しくて喜んでいたのです。俊彦さんが出会ったたくさんの人達。俊彦さんはひとりひとりの人達とのエピソードがあります。俊彦さんにとっても、たくさんの人達にとってもエピソードは宝物になると思います。

星さんという揺るぎない大きな存在。「ずっといる人。ずっといてくれる人。」です。そして、俊彦さんはたくさんの子ども達に出会えました。出会えたことを嬉しく感じていました。26年間「星の家」で子ども達と暮らすことができたこと。スタッフはじめ、支える会の皆様、そして支えて下さっている多くの方々に感謝申し上げます。