✿はなの家から 18 冊子「とちぎ地方自治と住民」への寄稿文

里親を必要としている子どもたちがいます。

養育里親(とちのきフォスター)になりませんか?

                    

認定特定法人青少年の自立を支える会

                      ファミリーホーム ホーム長 石川浩子

 

ここ数年で社会的養護(育)の在り様が大きく変わり始めました。施設の職員配置増、自立支援に関わる費用など使われる予算も 増えましたが、特に大きく変わったのは保護 された子どもの委託先としてまずは里親を考えることになったことです。それによって各自治体が里親への委託率 を高めるために動き始め、本県においても2020年フォスタリング機関【名称:栃木フォスタリングセンター(TFC)里親のリクル ートから里親登録前後の研修、マッチング、里親養育への支援、措置解除の里親支援まで、一貫した支援を行う機関】を創設したいという県の施策が示されました。養育者(里親家庭)の孤立化 を防ぐために児童相談所を含めチームで支援する仕組みです。

 それを受け、私自身もこれまで県内で社会的養護に携わってきた各分野の方々と協力し「一般社団法人 とちぎ家庭養育推進協議会」を立ち上げ受託し、昨年10月に開設するに至りました。

 

*子どもは、親の暖かい愛情のもとに育つことが望ましいのですが、県内には様々な事情により本来の家庭で暮らすことのできない子どもが約650名ほどいます。(2021.3現在)

こうした子どもたちを保護者に代わって公的に育てる仕組みを社会的養護といい、里親は、乳児院や児童養護施設と並んでその重要な担い手の1つです。

本県では、親しみを込めて養育里親を「とちのきフォスター」という愛称で呼んでいます。

 

里親には養子縁組を前提としている場合や一定期間預かり養育し家庭へ帰したり里親宅から自立する(養育里親)など様々な形があります。いずれも何年も養育する場合もあることからハードルが高いと思う方々も少なくないようです。

しかし令和3年度4月からは市町が子どもを預けるショートステイ事業先として施設の他に里親が加わることになりました。そのことで例えばひとり親家庭で親が病気になり幾日かの療養が必要となったり、あるいは育児疲れなど短期間のニーズに応えることが可能となります。小学校区に漏れなくそういった里親さんがいるようになれば子どもが通っている保育園・幼稚園、学校を休まなくても済み、子ども側の負担も軽減されます。現在各市町で地域の実状にあった実施方法などを検討していただいているところではありますが、TFCとしては里親によるショートステイの制度が整い次第そのインフォメーションも担うことになるので、「里親制度について知りたい」「短期の里親ならできるかな…」「私でもできるの?資格要件あるの?」「子どもにかかる費用はどうなるの?」等々の興味や疑問を持った方がいらっしゃったならば遠慮なく聞いてほしいと思います。

 

そして、一歩踏み出してくれた方々が家庭を必要としている子ども達の里親として、或いはよき理解者・協力者として力を貸してくださることを心から願っています。

養育の過程では想定外のことが次々に起こります。私自身がそうであったように、そんなときの支援が一番大切であると思います。この機関が養育者(里親)にとって安心して相談できる場となってくれることを心から願うばかりです。微力ながら私も力を尽くして行きたいと思っています

 

 *栃木フォスタリングセンターリーフレットから一部引用しました