✿はなの家から 168 「とちぎ地方自治と住民」vol.630へのへの寄稿文

 

2025夏 「 はなの家 」

 

ファミリーホームとは?「ファミリーホーム」は、平成20年の児童福祉法改正により制度化された事業であり、家庭環境を失った子どもを、里親や児童養護施設の職員など、経験豊かな養育者が家庭に迎え入れて養育する「家庭養護」の形態です。
「事業」という言葉がつきますが、実際には養育者の家庭に56人の子どもを迎え入れ、子ども同士の相互交流を活かしながら、基本的な生活習慣を身につけ、豊かな人間性や社会性を育むことを目指しています。そして、将来自立して生活するために必要な知識や経験を得ることが、主要な目的とされています。
*日本ファミリーホーム ホームページより一部抜粋

 

 

👈夏休みの昼食準備

  この日はみんな大好きピザ!!


「はなの家」はファミリーホームであり、さまざまな事情で親と暮らすことができない子どもたちと、里親である私が共に生活しています。平成26年に開設してから、気がつけばもう119カ月が経ちました。

これまで主に中高生男子の受け皿としての役割を担ってきましたが、ここ数年は、その時々の子どもたちのニーズを最優先にした結果、男女混合や異年齢の子どもたちが一緒に暮らすことも少なくありません。さらに、宇都宮市からのショートステイや児童相談所からの一時保護の委託、あるいは退所した子どもたちの「里帰り」などもあり、一度に8人の子どもが滞在する日もありました。 「少々無理したなぁ」…いえ、正直なところ「かなり無理をしたな」と思う場面もありました。それでも何とかやってこられたのは、一緒に働く仲間や児童相談所をはじめとする関係機関の方々の協力と連携があったからです。その経験を通して、改めてチーム養育の大切さを強く感じています。この場をお借りして、子どもたちの成長に関わってくださっているすべての方々に、心より感謝申し上げます。

現在の「はなの家」には、幼児(年長児)1名、中学生2名、高校生2名、計5名の男子が私と共に暮らしています。夏休みには大学生2名も里帰りし、家の中はそれはもう、とても賑やかになりました。

夏休みといえば、子どもたちにとっては「やった~!夏休み!!」ですが、大人にとっては家事――とりわけ食事作りが一気に増え、「来ちゃった夏休み( ;∀;)」というのが正直な気持ちです。
 それでも、長い時間を共に過ごす夏休みは、互いの理解が深まったり、協力して作業する機会が増えたりと、やはり貴重な時間であることに変わりはありません。

8月初旬には、新たに中学生の男の子を迎え入れました。我が家に来る子どもたちは皆、それまで通っていた学校や地域を離れ、「初めまして」の人たちとの生活を始めなければなりません。自分の責任ではない状況を受け入れようとする姿に触れるたび、私はその勇気に深い敬意を抱かずにはいられません。そして迎える側の子どもたちも、かつての自分を重ね合わせるのでしょうか、誰もが温かく受け入れてくれました。子どもたちの懐の深さとやさしさに、改めて感謝しています。

 

今年の夏は観測史上最高とも言われる猛暑続きで、子どもたちもほとんど外に出られず家の中で過ごしています。夏休みも残りわずか…「宿題は?ゲームばかりしてないで!(# ゚Д゚)」と私の小言が増える一方で、子どもたちは「どこ吹く風…」。
何はともあれ、みんな元気に夏を過ごすことができました。ただ、私だけが夏バテ気味で、神経痛や腰痛など、これまでにない体の不調を感じています。
 終わりの見えないこの夏、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

 

                                                    石川浩子